シン・春夏冬広場

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復活のオルゴナイト制作 ~一旦終了~

ごめんなさい。感情のまま、気の向くままに書いたら5000文字超えました。適当に流し読みしてください。

 

オルゴナイトの制作を開始して1~2ヶ月ほど頑張ってきました。結論から言うととりあえずの形にはなったため、今回の制作を終了することにしました。メルカリで売って稼いでやるぜとして始めた今回の企画ですが、度重なる挫折のため型がボロボロになってしまったことと、安定して制作することがどうやら難しそうということで、一旦制作を打ち切ろうと判断しました。

とはいえ、ここで培ったノウハウを次の作品に活かすための下地はできたと考えていますので、次回はもう少しかんたんに制作できるように準備したいと思います。オルゴナイト以外もやりたいので、まずはそちらをやりつつ、オルゴナイトの次の作品を考えていきたいなぁって思っています。型の剥離剤とか必要な備品を揃えたりしたいと考えています。もう少しシンプルなデザインにして、いっぱい制作して、技術を研鑽したほうがいいと思うなぁ。

 

これまでの振り返り

 

まずはメルカリで作品を売ってみたいぞってことで、スタートした今回の企画です。図面を作成することの大切さや、そこに対して必要な材料を集めていくことを学びました。まずは手に入るものから集めていきましたが、ほとんど見よう見まねで制作を始めています。そのため不要な失敗も多数しましたし、なにより固定費である型費が尋常ではない状態ですね。完全に赤字丸出しです。

 

はじめはシンプルに既存の売られている製品の型をとって、自分の理想を実現できるように進めていきました。当然ながら、売りものにする場合には著作権があるため、このままで売ることはできません。型をとって部品を取り出すにはどのようにすればよいのかを学びたかったということが主な目的になります。試作品がうまくいけば、石膏粘土か樹脂粘土を用いて、理想的な形状の型取りを行っていこうと考えていました。

 

これまでのあらすじ(*'ω'*)

www.akinaihiroba.com

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部品の型取りに成功しました。しかしながら、再現性が乏しく、このあと何度やってもつまずくようになったのと、型が壊れてしまったため、注水性とエア抜きに課題があることがわかりました。次回製作時にはこの問題を考慮して改善しないと量産することはできない感じですね。またレジンの教科書という本も読みましたが、成形が容易なあぶら粘土を使ってシリコンを流し込み、表型を制作しそれが完了した際には、あぶら粘土を外して逆型【裏型】を制作するという流れはプロでも行っている正しい手順であることがわかりました。離型剤が必要な感じですね。型がグズグズになってしまった。

 
 

最後の地雷を踏み抜きました。制作に利用しているレジンは泡が発生するタイプで、形を制作することができないことがわかりました。この課題を解決する方法は2種類ありました。1つは真空脱泡機を制作して、泡を沸騰現象を利用して取り除いていく方法です。もう1つは材料費が高騰しますが、高価なレジンを購入して、泡が抜けていくタイプの材料を用いるということが調査の結果わかりました。

真空脱泡機は真空ポンプとチャンバーを用いる必要があり、制作費は5万円~6万円する高価なものです。はじめはこちらを用いる必要があるのではないかと考え、お金を貯めようと考えていました。もう一方の高級レジンは、今制作に利用しているレジンのおよそ4倍くらいです。この問題はかなり悩みました。両者の目星も大まかにつけていました。後ほど備忘録のため、性能も含めてまとめていきたいと考えています。量産を考慮に入れると固定費が高騰するが、変動費が抑えられる真空脱泡機を入れることが必須です。

この問題は妻の一言で決心が着きました。妻から言われたのは、『あなたの作った作品の制作依頼がよそから入っているのか?』ということです。つまり、僕が考えた作品をどうしてもほしいという人がいるわけでもなく、まずは試作品を完成させることがより重要なのではないか。もし、制作がうまくいき稼ぐ必要が出てきたら【おそらくそんなことはないが】、真空脱泡機を考慮に入れて制作を行えばよいのではないかと言う事でした。これは目からウロコでしたね。当たり前な話ですが、自分だけではその考えに至らなかったです。思い込みというものは怖いものです。理想を追い求めすぎても現実が見えなくなることがままあります。

 

オルゴナイト制作 最終章~まずはここまでってことで~

 

妻の一言に後押しされた形で、今回は高価なレジンを用いることに決めました。真空脱泡機と候補のレジンに関しては、必要な種類というのはもとから考えているものがありました。真空脱泡機に関しては後ほど備忘録としてまとめるようにします。レジンに関してはレジンの教科書を制作しているレジン作家さんのHPから購入可能なレジンを選択しました。Amazingという会社からセットが販売されているようです。

価格としては12870円/1.2kgとなり、造形村のレジンがおよそ5000円/2kgであるためおおよそ4倍高価な材料になります。2液混合タイプで、主剤2に対して硬化剤1を入れるタイプです。このぐらい開きがあったため、量産する場合には変動費を抑えたいということで、おそらくこの材料費を下げる方法を検討していかなければならない形です。

今回購入したレジンはこちら

 

 

ベースとなる部分は造形村のレジンを用いました。色がついているものはその泡が目立たないため、造形村でも問題ないと判断しました。こちらに関しては狙い通り、中が不透明なので、泡が目立たない形に仕上がりました。

 

 

問題の本体部分です。入れた瞬間ホッとしました。全く泡が発生していません。確かに初期は泡がポツポツ湧き上がってきていましたが、硬化するのに時間がかかるようで、固まる頃には泡がだいたい消えている形になっていました。多少残ってはいましたが、気にならない程度でした。それよりも透明度が高まっていたので、安心しました。

 

 

最後の液を型に流し込んでいます。多少泡が発生していますが、ほとんどは消えてしまいます。今回利用したレジンに関しては造形村のレジンと比べて粘度が非常に高いものになっています。造形村の方はサラサラで水のような粘度ですが、デブコンのレジンに関してはドロドロしていて、水飴のような粘性があります。硬化時間にも差があって、造形村の方はほぼ24時間あれば固まってしまいますが、デブコンの方は3日くらい硬化時間がかかります。すべてを制作するのに1週間ほどかかる形でした。造形村の方はほぼすべての作業が1日~2日で終了するのに対してかなり差があります。

 

 

型から取り出すと、若干嫌な予感がします。もとの型に使用していた部品の形が転写されているのは仕方ないのですが、トナーによる色の付き具合の影響で、透明度がかなり下がって、中の様子が見られない状態になっています。磨けばなんとかなるものだろうかってことで、研磨作業を行っていきます。

 

 

研磨作業は人力だと大変なので、リューターの力を借ります。周りが紙やすりになったものを使って、研磨していきます。まずは荒目でガンガン削っていきます。

 

 

周りをガシガシ削っていき、コンパウンドを用いて研磨作業に入っていきます。この研磨作業はフェルトのポイントに変更して、機械の力でガンガン研磨していきます。

 

 

あら目のコンパウンドからスタートしてガシガシ磨いていきます。

 

 

少しずつ中の様子が見えるくらいまで磨けてきました。この調子で研磨していきたいと思います。細目、仕上げとコンパウンドの粒度を徐々に下げていき、鏡面に仕上げていきます。

 

 

嫌な予感が的中してしまいました。外観はある程度磨くと中が見えるようになりましたが、トナーの影響で透明度がかなり下がってしまったため、中があまり良く見えない形になってしまいました。改善するには、中にLEDを入れれば明度が上がっておそらく中を見れるようになると考えます。しかしながら、ひとまずここまでにします。LEDを入れるアイディアに関しては次回作が決まった際に一緒に取り組んでみたい思います。

写真ではわかりにくいですが、今回3段階レジンを分けて入れることで、イルカを宙に浮いた形の表現にしています。しかしながら、このときのトナーの濃度が調整できなかったため、帯のような部分が入ってしまっています。色ムラは問題ですね。少し泡が残っていた部分に研磨剤が入り込んで、白い斑点のようになってしまっています。

また鏡面仕上げにするにはもう少し磨かないと難しいですが、リューターではこれが限界なようです。削れてしまった部分もあるので、ポリッシャーのような機器を使ったほうがいいかもしれません。

 

どうしても悔しかったので、背後からライトを当てて中を見られるようにしました。くぅ~。もう少しだったのに。色をつけたかったけど、トナーの量をもっと少なくできないとかなり厳しいな。爪楊枝とかでほんのちょっとで十分でしたねこの量だと。はじめはあまり目立たない感じだったんですが、量が多くなるとそれだけ明度が下がってきてしまうんですね。見誤りました。

これまでの取り組みの総括

○課題

  • 注水ムラとエア抜け性
  • レジンの硬化時間と費用
  • レジンの型抜け性
  • トナー濃度と明度
  • 部品の制作と型取り
  • 作品の研磨

注水ムラとエア抜け性は型に流した際に抜け穴をきちんと設けて、細部までムラなくレジンを行き渡らせることです。作品が細かくなればなるほど、通路が細くなればなるほど真空脱泡機のような機材で無理やり溝にレジンを巡らせる必要が出てきます。また泡は少なくなったとは言えちらほらあります。真空脱泡機の能力は5~6Lほどの真空チャンバーに対して、ポンプは180L/minほどの真空ポンプを準備する必要がありそうです。細かい原理はやってみないとわからないところがありますが、チャンバー内部を沸騰近くまで即座に到達させる能力とレジンの硬化時間との関係によって必要な能力値が決まるようなので、ある程度のオーバースペックは致し方ないところではあります。

・真空チャンバーの候補:こちら・・・5~6L程度が十分な大きさだと考えています。作品に合わせて大きさはできるだけ小さい方がいいと思います。
・真空ポンプの候補:こちら・・・関東圏は電気の周波数が50Hzなので、より高スペックのものを探す必要があるかもしれません。

レジンの効果時間と費用に関しては、真空脱泡機が必要か否かによって決まってきます。より本格的に作品を作る場合には作業性の効率と費用対効果を勘案して真空脱泡機を導入するかはたまた現状の高価なレジンを利用していくかを再度検討せねばなりません。利益を考慮に入れた場合、固定費は削るのが難しい場合があるので、変動費から手を付けるべきでしょう。

 

レジンの型抜け性に関してはなめてました。離型剤がないとどんどん型の形が崩れていって、型が早々にだめになります。そうすると作品を作るのにいちいち型を作らなければならなくなり、固定費が増加します。型改修は必ず必要になりますし、型も消耗品ではありますが、大切に扱っていきたいものです。

 

トナー濃度に関しては色をつけたい場合の透明度を稼ぎたい場合に必要になります。実はAmazingさんでつや出しコーティング剤というのを購入していたので、ある程度発色性は良くなっていますが、やはり濃度の関係で内部が見えにくくなるのと、作品に帯のようなムラが入るのは避けたいところです。

 

部品の制作と型取りに関しては、エア抜け性を考慮に入れるのは当然なのですが、元になる部品をどのような手法で制作するかです。やり方は石膏粘土、樹脂粘土、パテと3種類くらい方法があります。パテは樹脂粘土に近いものです。石膏粘土の有利な点は研磨が可能なことです。欠点は重くなることです。なので、型を取るマスターとして使うのが適していると思います。造形作家さんによっては、重量を軽減させて利用されているようです。芯材にポリウレタンのスポンジを使って周りを板状にした石膏粘土で覆うやり方があるようです。樹脂粘土は軽いのが良いと思います。樹脂粘土自体で別に作品が作れてしまうものなので、どうしたものかと悩みます。

 

作品の研磨は非常に問題で奥が深いです。IPoneの鏡面研磨がはじめは日本の一部の企業しかできなかったくらい、研磨は非常に難しい作業になります。リューターだとなかなかムラが出て難しいですが、ポリッシャーだとかなり大きいので、どうしたものかと悩んでいます。

 

また修正する機会がありましたら、図解したいと思います。

 

まった今度をおっ楽しみに~。ばぁい。