シリコーンスチーマーは大変便利だ。色々と試しているが、こと蒸し料理に関しては万能だといっていい。ゆでるものに関してもレンジを使うことが前提だから、水さえ入れれば十分に活躍してくれる。
しかし、問題が発生した。米を炊くと吹きこぼれる。レンジがぐちゃぐちゃになって、米を炊くたびに皿を洗う羽目になる。なぜか対策は功を奏したので、紹介したい。目次を付けたので参考にしてほしい。かつお節を入れたものが本命で、ほかにもいくつかやってみたが、やきとりの缶詰めと一緒に炊いたもの以外はすべて失敗した。失敗を笑い飛ばしてくれると助かる。
シリコーンスチーマーの紹介
シリコーンスチーマーを紹介していなかった。購入したものは2500円くらいで、非常にコンパクトにまとまるタイプだ。耐熱温度は200℃で、これを超えると問題になるのはシリコーンオイルが流出するためだ。シリコーンオイルはシロキサンガスになる。シロキサンガスは電子機器を破壊するので、耐熱は守ろう。500W~600Wの範囲で利用すれば問題は起きない。
薄型モード。中の皿が折りたためるようになっており、薄くなる。コンパクトに収納できるため、耐熱容器などと異なり場所を取らないと考えたので購入した。
深皿モード。利用するときはこちらがメイン。蒸す、ゆでるが主な調理内容になる。野菜をふかしたり、米を炊いたり、パスタをゆでたりすることが可能。便利なので、1台は持っていてもいいだろう。
米を炊いてみる:現状確認
米1合分と水200㏄を入れる。浸漬させるとふっくら炊きあがる。浸漬しなくてもよい。米をまんべんなく広げる。広がってないとムラが出る。ムラを出さないようにしたい。
レンジにセットする。レンジで500W15分で炊きあがる。手順としてはいろいろ手法があるようだが、めんどうなので、ずっとレンジに入れておきたい。
チンの音とともに内部を見る。絶望。鼻水のような白濁した汁が、耐熱ガラスにべっとりと広がっている。シリコンスチーマーからも漏れ出ているのが確認できる。
シリコンスチーマーをどかすとさらに絶望。取り直して洗わないといけない。米を炊くだけで洗い物が増えるのであれば、正直少ない量でも炊飯ジャーで炊きたくなってしまう。これは対策したい。対策がわかればこれまで通り楽に過ごすことが可能だ。
吹きこぼれが生じるメカニズムは米と水の関係性にある。米が浸っている水が温度が上がるにつれて、粘度を持つようになる。水の量が減り、米のでんぷん質が流出するためだ。沸騰と共に、泡が形成され、その泡が積み重なった結果、ふたを押しのけ外部に流出する。そのため通常の炊飯ジャーでも同様の現象は起きている。それが対策されているに過ぎない。指し水をする方法もある。
フォークを入れてみる
泡の形成を阻害するか、壁を泡が上る量を減らせばよいと考えた。そのため中心部にフォークの壁を挿入する。これだけで対策できれば非常に簡単だろう。
500Wで15分チンする。チーン。
マイガッツ!!!
こいつはひでーぜ。ナイアガラの滝を見ているかのように、吹きこぼれの滝があたり一面に広がっている。米が涙を流したような跡がついている。フォークなんて入れるなよって僕に語り掛けているようだ。すまん。米。
中を見てみる。そこには戦いを終えた歴史上の遺物のような、フォークが鎮座していた。戦いは終わったのだ。僕は負けたのだ。敗残の将としてのそしりをあえて受けよう。フォークは米に埋もれて、動こうとしない。米自体は普通に炊けていた。もそもそと悔しさをかみしめる。米はうまかった。
フォークの壁作戦は失敗に終わった。
へんげ (id:nunohenge)さんのご指摘より金属を電子レンジに入れた際の危険性
電子レンジのマグネトロンから電波が金属に照射され、金属表面の自由電子を活性化させる。そのため放電が火花のように発生することがあり、大変危険だということです。今回は特に上記のような問題は発生しませんでしたが、真似しないようにお願いいたします。吹きこぼれが思ったより多かったのは、金属が温まったからかもしれませんね。へんげさんありがとうございます。
牛乳パックを入れてみる
泡の形成を阻害する方法として、上からガーゼや牛乳パックのようなものを敷けば、その錘によって泡が形成しにくくなるのではないかと考えた。
500Wで15分チンする。チーン。
はらほれひれはれ。
ダメだった。結構自信があったのだが、牛乳パックを入れるだけでは泡の形成を阻害できない。阻害しているのかもしれないが、壁を登ってくるのを阻止できていない。
中を開けると、牛乳パックに米パックがついていた。牛乳パックはお米できれいになりたいって望んだんだ。心なしか白く、てかてかしているように見える。僕はまたもやもそもそと、悔しさの味をかみしめた。
牛乳パック落し蓋作戦は失敗に終わった。
かつお節を入れてみる
実はあまり期待していなかった。米とかつお節って相性いいから、なんとかなるんじゃねくらいの軽いノリで、ノリノリにかつお節をぶんぶんかけた。
500Wで15分チンする。チーン。
お!?何事!?なんで??
吹きこぼれのような跡はないわけではないが、外には流出していない。ふたの縁でおさまっている。中が気になる。急いで取り出した。
シリコンスチーマーの縁には確かにちょっとだけ吹きこぼれたかのような後は残ってはいる。しかし、耐熱皿の方にも吹きこぼれはなく、きれいだった。うまくいったのだ。
中を開けてみる。ふわっとかつお節のいい香り。食欲をそそる香りだ。米とかつお節は相性がいいし、味付けしていないおかかだ。ねこまんまといってもいい。これなら普通に楽しめることが出来る。白米を食べることはできないが、楽には変わりない。
かつお節の粉雪作戦は成功した。
缶詰焼き鳥を入れてみる
かつお節で気をよくした僕は、あえての缶詰を入れてみてもいいんじゃねって考えた。これには理由がある。これまでコーンご飯に挑戦した際に吹きこぼれを見たことがなかったためだ。これならうまくいくに違いない。
500Wで15分チンしたが、米が硬かったのでさらに5分チンした。500Wで20分チンしたことになる。容器には吹きこぼれの後は形成されているが、耐熱皿の方には吹きこぼれが発生していない。なかなかよさそうだ。
中を見てみる。焼き鳥の缶詰の汁が広がり、ふわんといい香りが広がる。ごくり。これまでみたもので一番うまそうだ。米も柔らかいし、焼き鳥も温かい。このままおかずとして食べられる。
缶詰の荒野作戦は成功した。ただし、時間が5分プラスされた。
結論
シリコンスチーマーで米を炊くときは吹きこぼれが発生する。吹きこぼれを対策するにはかつお節が一番有効で、次に缶詰の具材を入れるとよい。かつお節が泡の形成を阻害していることが考えられる。そして缶詰の方は熱の入り方が異なるため、時間は増えるが、泡が形成されにくい環境が作られていると推定される。

まった今度をおっ楽しみに~。ばぁい。