青源味噌は寛永2年に創業した老舗中の老舗な味噌屋さんである。宇都宮で創業した。栃木にはそうした老舗の味噌蔵が多い。
味噌は大豆、塩、米麹から作られるものがよく知られているが、それは米味噌と言われる。麦麹なら麦味噌、豆麹なら豆味噌だ。味噌はメイラード反応と言われるアミノ酸と糖との反応により色合いが変わって来る。赤っぽくなってゆく。色合いが濃いものほど、熟成が進んでいる。
味噌の命は麹だ。蔵付きと言われる麹カビが個性を与えると言われており、酒、醤油、味噌と日本の伝統的な食卓と発酵には密接な関係がある。樽にも麹が付き、樽による醸しは個性が出ると言われている。しかしながら、樽の製造は出来なくなって来ていると言われており、伝統的な味は失われつつある。
ちなみにここに納豆は入らない。同じ発酵食品だが、納豆は納豆菌による発酵で、麹との相性は最悪。麹カビを駆逐してしまう。そのため、酒、醤油、味噌を作っている人達は納豆を食べられない。チーズを作っている人達も同じ。発酵とはそれだけ繊細な作業であり、技術を必要とする。
酒はさらに繊細な作業を必要とし、火落ち菌に酒が汚染されると、酢になると言われ、商品にならない【腐造】。酢酸菌ではないので、酢になるわけではなく、酒が濁り、独特なにおいを発する。発酵とは菌との戦いであり、営みを守ることでもある。そうした伝統的な手法を菌が見えない時代から経験的に培ってきた。
昨今はこうした伝統的な醸しを行う味噌【酒も含む】はなくなりつつある。大量生産、大量消費社会になったためだ。多くの会社が潰れ、樽仕込みは姿を消した。勝手な言い分だが、伝統は伝統として、きっちり残して欲しいというのが願いだが、飯を食っていくためにはこうした技術の淘汰はある意味仕方がない部分がある。
もやしもんは発酵を学ぶには最高の教科書。
みそや源兵衛
青源味噌が経営しているラーメン屋だ。駅中にもあった気がするが、餃子しか食べられないと思う。ラーメンはなかった記憶だ。色々なタイプの出口を見出さないと、生き残っていけないんだと思う。
店内は味噌蔵をイメージした造りになっていて面白い。樽が椅子になっていて、変わっている。柱もかなり古い造りに見える。本物かどうかはわからない。しかしながら下野工場を作った際に、別の工場を閉鎖したとも書かれているため、そちらで利用されていた柱の可能性は高い。
ラーメンは源兵衛味噌ラーメン、からこく味噌、野菜味噌の3種類。味噌漬けチャーシューをトッピングし、唐揚げセットにする。
非常に強烈によい香りがする。色の濃い味噌はもろみなんだろうか。香りがとにかく強い。これまでの味噌ラーメンとは一線を画す強烈な香りの応酬。ずっと嗅いでいたい芳ばしい香りだ。
スープはとってもコクがあって甘みが強い。いやな甘みではなくて、味噌独特な自然な優しい甘みである。味噌ラーメンってすごく難しい。味噌汁にならないようにしないといけない。この塩梅が難しいラーメンをよく作れるなっていつも感心する。
チャーシューは味噌漬けにしたものを焼き上げている。とても甘みの強い味噌で味付けされており、ものすごくうまい。とても手の込んだチャーシューだと思う。
麺は中太麺のストレート。スープが濃いので、スープと絡み合わないように配慮しているんだと思う。非常にうまい。
からあげでかい。ちょーでかい。でかいからあげを見ると幸せな気分になってくるのはなぜだろう。非常に安上がりな幸せをいつもかみしめている。もぐもぐってね。
肉汁びゅわー。じゅるじゅるあふれてきて、ごくごく飲む。甘露【カンロ】。
味噌への思いをいろいろなところで見ることができる。できれば伝統的な手法による味噌蔵を残してほしいが、どうなんだろうか。ステンレス製の樽なのかなぁ。
行き方

まった今度をおっ楽しみに~。ばぁい。