シン・春夏冬広場

楽しいことになんでもやっていこうっておもってますぜ。

4節リンク機構を作成して眺める

ものが動く様を眺めるのは楽しい。いろんなものを作って、遊んで楽しんでいきたい。リンク機構というのは変形しないリンク【節と言われる】と、変形しないジョイント【対偶と言われる】から作ることが出来る。僕らの生活の中の様々な場所で使われており、見えない立役者だ。自動車、扇風機など身近な機械に使われている。身近なものを理解するのは楽しい。

 

 

4節リンク機構を作るには

リンク機構を理解するには、1つの式と1つの定理を理解する必要がある。実際にものを作っていくと式の意味は理解できるので、頑張って理解する必要はない。

 

グルーブラーの式

F=3(n - 1) - 2×J

Fは自由度を表し、nはリンクの総数、Jはジョイントが持つ自由度の総数。自由度というのはある物体を動かすことが出来る方向の数を表している。1本の軸の上で回転だけできる場合、自由度は1になる。動作の方向や種類によって、動作できる方向というイメージでよい。トラス構造というのは橋の設計や、窓の格子などに使われている三角形の構造のことを指す。この場合、F=3×(3 - 2) - 2 × 3 = 0となる。リンクの数は3で、回転できるので自由度はそれぞれ1だ。合計で0になる。つまり動くことが出来ない。強固な構造を指す。

 

もう1つの定理は、グラスホフの定理である。『最短のリンクとほかの1つのリンクの長さの和が、残りの2つのリンクの長さの和より小さいか、等しい』この条件を満たさないと、4節リンク機構にならない。4つのリンクがそれぞれあるとして、その中で最も短いものをaとした場合、a + c ≦ b + dという関係が成立する必要がある。

 

難しいことはさておき作り方

とはいえ、今回作成したものをそのまま真似すれば簡単に作ることが出来るので、ふ~んこんな感じなんだわかんないけどって思っていい。式や定理をいきなり理解することは、なかなかできない。実際に手を動かして、いろなものを見て初めて分かることが多い。初めは失敗からしか学ぶことはできないのだ。

 

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画用紙をカットし、角を落とす。a = 7cm、b = 16cm、c = 11cm、d = 14cmになっている。a + c = 18cm、b + d = 30cmであり、グラスホフの定理 a + c ≦ b + dとして成立している。

 

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それぞれの先端の中心を穴あけパンチに合わせて、穴をあける。よく見ないで穴をあけると失敗する。たいていの穴あけパンチは紙を取り出す部分を外すことが出来るので、中を見ることが可能だろう。

 

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動きや、つける順番がわからなくならないように、記号を付ける。こうすることで、部品が混ざることがない。特にCとD、DとBはそれぞれ形が近いので、間違わないように注意する。DやZという記号は今回関係ないが、Oと2と間違えることがある。そのため記号に応じて、間違わないように印をつけることをお勧めする。

 

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ハトメを用いて、それぞれのリンクを接続する。ハトメがジョイントになっている。1cmの大きさなので、5mm程度の大きさがちょうどよい。穴あけパンチの穴の大きさとも等しい。

 

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ハトメとリンクを接続する。簡単につけられるので、丁寧につけていく。ぐっと押さえつけすぎて、回らなくならないように注意する。ほどほどの力加減で止める。

 

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最後にとめる順番を注意する。Bの下にA、Aの下にD、Dの上にC、Cの下にBとなるように接続する。必ずこの順番に注意する。そうしないと、回転させることが出来なくなる。今回平面で作成したが、立体で作成した場合も各リンクの干渉に注意する。

 

4節リンク機構の動き

動画でみるとよくわかるが、Bを固定して、Aを回転させる。そうすることで、CとDのジョイントが上下運動しているのがわかる。このように回転運動を前後運動に変換することが可能となった。扇風機のモーターが回って、その回転の動きが扇風機の首振り運動に使われていることがこの動きを通して理解することが出来るだろう。扇風機は歯を回すのと同時に、左右に首を振っている。その動きは4節リンク機構によって作り出されているのである。

 

このように簡単に作れる材料で、あらかじめ動きを確認する作業をラピットプロトタイプという。制御などで使われるのだが、ものを作成するのは時間も労力もかかる。一度部品を決定してしまうと、修正することが難しい。たとえ修正したとしてもこれまでの作業はすべて無駄になってしまう。そうした作業を避けるためにも、簡単に作成し、動きを確認することは大切だ。

 

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photocombine.net

 

動画の作成には、フォトコンバインを利用した。非常に便利だ。