シン・春夏冬広場

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【マンガ】最終兵器彼女という顔から汁が止まらない名作

僕の本棚には、最終兵器彼女がある。もうずいぶん昔の漫画で、アニメ化もされた。本棚を整理しているとき、この本をふと思い出し、読んでみた。僕の本棚には、自分が名作だと思ったものが保管されている。あぁ女神さまとAIが止まらないを手放したときは心がえぐられるかと思ったが、さすがに結婚するのに1000冊以上漫画を所蔵するわけにもいかず、手放した。その中には逮捕しちゃうぞだってあったんだ。それでも手放せない本がいくつかある。最終兵器彼女はそんな本の1冊だ。ずいぶんと古いので、本の焼けがひどいく売り物にならないが、作品の良さが失われたわけではない。

 

汁が止まらない

終末を書かせたら、右に出るものはいないほど、高橋しん先生は、同じような漫画を描いている。いいひとはそんなことがなかったのだが、最終兵器彼女からそういったテーマが続いているように思う。

 

主人公は、猫目でちょっとクールなシュウと、ほんわかなちせの物語だ。ちせはかわいい。だが、のろい。ちびだし、気が弱い。おまけにドジっ子で、成績も中の下。口癖はごめんなさい。座右の銘は強くなりたい。彼女についてはそんな具合で作品の中につづられており、およそタイトルと内容が一致しない状態でスタートする。どこにでもいる平凡な高校生のなかむつましいほんわか話でスタートする。

 

2人のときは強がっているシュウだが、1人きりになると、常に彼女のことを思っている。大切に思っている。そんな2人のほのぼのとした甘酸っぱい関係に次第に作品に感情移入してくる。シュウは思ったことを言葉にしてしまうノンデリカシー男で、たいていの男子を絵にかいたような人物だ。だが、初めてできたちせという彼女をとても大切に思っていて、でもどうしたらいいのかわからない平凡な話が続く。ささいなことでお互いの気持ちを知り、衝突する2人そして、仲直りのキス。2人のどきどきした心音。これから平凡な恋物語が始まるのかとそう感じていた。

 

そんなとき、突如として戦争が始まる。戦火に突然巻き込まれるシュウ。戦闘機に撃墜され、落ちてくる人。ちせだった。抱きしめた彼女の心臓は音がしなかった。そして物語が動き出す。

 

この物語は結構やばい。ヒロインであるちせの話ももちろん悲しい。どんどん兵器になっていく彼女は、感情というものがどんどん希薄になっていく。薬により理性を保ち、彼女が人であることにとどめている。優しかったかわいいドジなちせ。その彼女が徐々に変わり始め、無機質に人を殺す。殺して殺しつくす。そのたびに心がえぐられてくる。シュウのもがき。そのすべてを感じることが出来き、涙が止まらない。しかし、最終的にはハッピーエンドになるんだ。だから、ちせに関しては、あぁ幸せになるんだ。よかったって思える。

 

この物語のもう1人のヒロインがあけみだ。5巻だ。5巻を読め。読んでください。あけみは、ちせの友達だ。親友と言ってもいい。1巻から出ている。彼女はシュウが好きだった。ずっとずっと好きだった。ことあるごとに、シュウにちょっかいを出し、ちせを励ましてきた。彼女は死ぬんだ。突如。地震に巻き込まれて。シュウに最後を看取られながら。彼女はそこでシュウに告白する。大切な大切な告白をする。好きだったこと。初めてを別の男性にあげたこと。そして、彼女の体は人の形を保ってないから、シュウにあげられないこと。泣きながらそして、謝りながら、一緒に過ごしたかったことを伝えながら、後悔しながら、泣きながら死んでいく。そのシーンが、あまりにもリアルで、2人の仲がわかるようで、あまりにも悲しく、愛があふれていて、そして残酷。様々な感情が立ち込め、涙が止まらなくなる。

 

汁という汁が顔からあふれて止まらない。最終兵器彼女はそんな物語だ。

 

 

 

まった今度をおっ楽しみに~。ばぁい。