シン・春夏冬広場

楽しいことになんでもやっていこうっておもってますぜ。

冬の香り

好きな香りと尋ねられると、僕は2つ答えることにしている。1つは雨が降る直前のアスファルトが湿った臭い。もう1つが秋から寒い冬になるにつれて濃くなる冬の香りだ。どちらも本当にその香りが存在しているのか疑問ではあるが、僕の鼻は雨が降る直前と、冬になっていく香りのどちらもかぎ分けることが出来る。

 

どちらが好きなのかと尋ねられれば、冬の香りに軍配が上がる。冬の香りには様々な生き物が寝静まり、これからあらゆる生物が寝静まる冬の到来を僕の鼻孔に告げる。鼻孔に感じる刺激を受けて、僕の心はこれからいよいよ白い世界が到来するのかと、なんだか気持ちが高まってくる。

 

神奈川に住んでいたころは、雪が降ることはめったになかった。時たま振ったときにはドカ雪となり、これまで経験したことがないほど、両親は慌てふためく。その様をしり目に僕なんかは外に飛び出していき、学校の帰り道にで道すがら雪だるまを作ったり、かまくらを作って遊んだりしていた。ほとんどの動物は寝静まるようだが、犬と人間だけは別なようで、しんしんと降り積もる雪を心待ちにしているように思う。子供限定だが。

 

栃木に移り住んで非常に楽しいと感じるのは、四季をしっかりと感じることができることだ。春には田んぼや畑に植物が実り、虫が飛び回る。夏には緑の穂が垂れ下がり、あたり一面緑の世界が広がる。少し脚を運んでみると、色とりどりの植物が咲き乱れ、その植物に惹かれるように昆虫が、その昆虫を食べるために鳥たちが騒ぎ立てる。夏は非常ににぎやかだ。そして、秋になるにつれて、稲穂は金色に変わり、穂は垂れ下がる。麦の穂、稲の穂、様々な植物の紅葉を懸命に眺めながら、時たまもみじの翼果を眺めながら、これまで経験したことのなかった植物のありありとした姿を感じる。

 

そして、その後に広がるのは白銀の世界だ。これまでとは打って変わってあたり一面白銀の面がきらめき、植物、虫、生き物はなりを潜める。そんな色とりどりの四季が存在していることを知ることが出来るのは、栃木の魅力だ。神奈川や東京の都心の方では、そういった植物や生物の機微を感じることなど想像もしなかった。それだけ自然に根差したものは非常に少なく、人工的なものがぽつぽつとあるだけだった。

 

人工的なものに囲まれながらも、雨の到来と冬の到来の2つを感じることはできたが、断然栃木の方が、香りは濃く感じる。しかし、栃木の冬はキツイ。脚を指すような寒さの痛みをこらえながら、車に乗り込み、生活を送る。雪が降ろうものなら大渋滞。都心ほど影響があるわけではないが、事故が増える時期でもある。その影響で雪が降るとなかなかに大変なのはどこも同じだろう。神奈川に比べて非常に寒いから、きっと冬の香りというのは寒さに起因する湿度の差を鼻が感じ取っているに違いない。

 

冬の香りを存分に満喫してほしい。

 

 

まった今度をおっ楽しみに~。ばぁい。